ヨーロッパの蛆虫、の呼吸

 夏が始まりかけると、私は決まってひじをこする。華厳の滝のような傷ができる。今、私はヨーロッパにいる。川と工場と煉瓦的家と時計台と蹴球球場が遠くや近くによく見える。何かに行き詰まると私はヨーロッパに行く。今年の華厳の滝のような傷は私を心底心底行き詰まらせた。心底心底行き詰まらせた。血みどろのマイケルは笑顔でこっちを見ている。腸を首に巻きトウモロコシで隠すところを隠してこっちを見ている。卵だらけのジェシカがこっちを見ている。卵は間違いなくカエルくんのもので鼻を通って口を通って耳を通って最終的にはへそに終着していてへそからでている食用カエルの干物で隠すところを隠してこっちを見ている。男爵のとりしまりがおろそかだからこんなやつらが平気でいるんだ。僕ににじり寄ってくるマイケルとジェシカを僕は凝視した。何かが見つかる確信があった。あまりにも気持ち悪くて凝視できない。できないことは無理してやるな、そう先生に教わってきたのに。大幅なタイムロスで僕は逃げるタイミングを失った。あ。僕とマイケル・ジェシカの間、ちょうど真ん中に○○まみれのサダオカが笑顔で三人を見ている。(彼/彼女は視野が広いのだ。)○○は体の穴という穴から出ていてもはや「隠す」という人間様が地球に存在し始めてから今まで背負ってきた宿命ともよんでよい概念を・・・それ以前の問題であるな体を包む○○の量が・・・三人を見ている。サダオカは敵か味方か。それよりもマイケルとジェシカは敵か味方か。きっとそんなことはどうでもいい。だって私はまたたびさいけでりっく。

(2007/6/10の出来事)