そうやってシアトルは

mommy062007-09-18

右側を走る車に流されて、気がつけばもう左側である
なんと坂の多い町か
かのジミヘンもカート・コバーンイチローもこの坂を上ったか
イヤホンはめて『Nevermind』を聴く


この町は乾いている
「Come As You Are」のゆれるイントロもそれを潤すものではない
乾いていて中に入るのを拒むんだ
交わろうとして近づいたものは跳ね返され
他のものにぶつかるまでまっすぐ飛んでいく
ちょうどブロック崩しのボールみたいに


「Breed」の歌い出しで世界は満ちた
この町はブロック崩しのボールだらけだ
お互いがお互いを跳ね返すことで安定してしまった町
そうすることで繋がる人々
それも、ありなのだ


町には実にカフェが多い
一ブロックに一つのスタバがあると言っても過言ではない
やはりコーヒーも、身に染み入るというのではない
胃袋の中でブロック崩し
でもただ一つ、
カフェで戦争は起こらない


坂を上りきって振り返れば、遠くビルの間に海が見える
アメリカ北西端の港町
ここで戦争は


お互いがお互いを跳ね返すことで安定してしまった世界
そうすることで繋がる人々
それも、ありなのだ